CGのリハビリ

最近趣味のポートレート撮影にハマり気味で、撮ったものはInstagramに投稿しています。それを知る友人から先日「どのような判断基準でシャッターを切るのか」という質問をされました。まずこの質問自体が極めて知的なのですが、そういう相手なので簡略化しないバージョンで答えたのが下記です。

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野外ポートレートの場合、一般に順光側より逆光側が良いカメラポジションとなる(勿論違う考え方もある、以下同様)。しかし逆光でも背後に目立つ看板があったり、モデルさんと自分との間に遮蔽物があったら不都合。但し遮蔽物がモデルさんを部分的に隠すことで良い構図となる場合もあり、一律にダメな訳でもない。このように良いカメラポジションは空間内に単純には分布しておらず規則性を把握しにくい。通行人の状況や太陽の角度など、時間との関係で変化する要素もある。

つまり、最適なカメラポジションを求める際に考慮すべきパラメータは非常に多い。しかも被写体は生きた人間なので動くし、表情も雰囲気も一定ではないから更に計算は複雑になる。

それに加えカメラマンは計算に専念するのではなく、モデルさんをディレクションすることで計算結果に影響を与えなくてはいけない。ディレクションの前提として、撮影前からの信頼関係の構築が必要になる。この構築やディレクション自体も計算なので、こうなるともうやるべき計算が膨大になり過ぎる。まるで人生自体を計算しようとするが如きである。しかしそれでもなんでも無理矢理にひとまずの解を導き、その解が一定水準に達しているか否かをシャッターを切る際の判断基準とする。

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このような問題をコンピュータに解かせるのは今の時点では難しい気がします。仮にロジック部分を解けたとしても、ディレクションの際はそれを言うのが人間であるという要素が重要だと思われるので、同じ効果をコンピュータやそれに付随するシステムで狙えるかは微妙です。つまりポートレート撮影は自分にとってはデジタル的なショートカットを導入しにくい、その意味で極めてアナログな分野です。

僕の日頃の仕事はCGの割合が高いのですが、何かそのリハビリでポートレートを撮っているような気が最近はしています。